大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)407 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人丸山郁三の上告理由第一点および第二点について。

原判決は、被上告人の夫Dが訴外Eをして、証券会社に対し身元保証金または代

用の有価証券を差入れるのに代えて本件株式払込金領収書を「見せ株」とすること

を得させるため、同人に右領収書を寄託した旨判示しているのである。所論は原判

決の説示するところを正解しないでこれを非難するものであり、採用できない。

同第三点について。

所論は原審が適法になした事実認定もしくは証拠の取捨判断を非難するものであ

り採用できない。

同第四点について。

所論は原判決の認定しない事実を前提として原判決を非難するものであり、採用

できない。

同第五点について。

上告人の本件株式払込金領収書三通の譲受は昭和二五年法律一六七号「商法の一

部を改正する法律」施行(昭和二六年七月一日)前であること、右領収書に添付さ

れた白紙委任状が偽造であることは原判決の確定するところである。とすれば、た

とえ、上告人が右株式払込金領収書を善意無過失で取得したとしても、右領収書の

表彰する本件株券発行前の株式を取得するものでないとした原判決の判断は正当で

ある(最高裁判所昭和二九年六月二二日第三小法廷判決、民集八巻六号一一五三頁

参照)。また所論商法施行法一一条但書の規定は、会社が新法施行后に名義書換の

請求を受けた場合に、その譲渡が新法施行前か后か会社にとつて不明な場合におい

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て会社に免責を得させるために設けられたものであつて、同但書には善意取得に関

する商法二二九条の適用はみとめられていない(商法二〇五条二項三項の適用がみ

とめられる以上、同法二二九条は必然的に適用されるべきであるとの所論は独自の

見解に過ぎない)のであるから、上告人の同施行法一一条但書に依拠する善意取得

の主張を排斥した原判決は正当である。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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